誰もが望んで永代供養墓を選んでいるわけではないことをお寺は知るべし
近年では、少子高齢化や核家族化の影響もあり、お墓を建てる人が少なくなった。
これは、時代の流れなのか・・・
これからは、永代供養墓の時代。
「お寺改革」のホームページをご覧いただき、ありがとうございます。
このサイトを運営する株式会社第一石材 代表の能島孝志(のじまたかし)と申します。
これまでにおよそ10の寺院、ならびに宗教施設で、永代供養墓(共同墓所なども含む)をプロデュースしてきました。
ありがたいことに、どちらのお墓も申込者様からお喜びいただき、しっかり収益に結びつく結果を出すことで、ご依頼者であるお寺様等からも感謝の声をいただいております。
能島
こんな流れから、永代供養事業を考え始める寺院も少なくありません。
そして、出入りの石材店に相談を持ち掛け、永代供養墓を建設したものの、思ったより申込者が集まらない。
「お寺の立地条件も悪くないのになぜだろう?」と悩んでおられるお寺様の話をよく耳にします。
実は、その原因は意外なところにあるのです。
1.誰しもが望んで永代供養墓を選んでいるわけではない
テレビをはじめとするマスコミの影響もあり、現代社会においては、お墓不要論があたかも主流のように思われがちです。
それを真に受け、数多くのお寺様が永代供養墓事業を始めました。
でも、現実は少し異なります。
たしかに、「お墓なんて要らない」という人もいます。
しかし、誰しもが望んで永代供養墓を選んでいるわけではないのです。
- 子供がいない
- 息子はいるが独身
- 娘しかいない
などの跡継ぎ問題で、仮にお墓を建てたとしても維持し続けることが難しいため、やむなく永代供養墓を選択せざるを得ないというケースも多いのです。
2.「墓じまい」における罪悪感
先祖代々続いてきたお墓が、跡継ぎがないために自分の代で途絶えてしまう。
これまで長きにわたり守ってきたお墓を「墓じまい」しなければならない。
自分たちのお墓のことはともかくとして、大切な両親や可愛がってくれたおじいちゃん、おばあちゃんまでも永代供養にしなければならない。
このときに、当の本人が抱える罪悪感や後ろめたさは、想像以上に大きいのです。
マスコミの報道で見られるように、「墓じまい」をすることによって、負担から解放されたという方ばかりだと考えてしまうのはちょっと危険です。
3.消費者の心情を考えた永代供養墓かどうか
しつこいようですが、誰しもが望んで永代供養墓を選んでいるわけではないのです。
やむを得ない事情で、永代供養墓を選ぶしか方法がなかったと考えている方も少なくありません。
そんな悩みを抱えている方々が、「ここなら良い」と思えるような永代供養墓かどうかが問題です。
■通常の墓地なら、まず売れないであろうと思えるような、奥まった日当たりの悪い場所に建てられた永代供養墓。
■単なる箱物に銘板が貼り付けられただけの、温かみのかけらもない、まるで石製の物置にしか見えないような永代供養墓。
もし、そのような永代供養墓だとしたら、消費者はどのように感じるでしょうか?
きっと、そんなところに大切なご先祖様の遺骨を納めたくない、と思われる方もいることでしょう。
もしかしたら、自分たちもそこに入ることになるかもしれないのです。
本来ならば、自分たちがきちんと守っていくべきだったお墓をしまうしかない。
それであっても、できる限りの最良の選択をした。
せめても、「ここなら!」と言えるような良いお寺、良い永代供養墓を選んだと思いたいのです。
4.まとめ
実は、全国の永代供養墓事業の約8割が運営に失敗しているのです。
その原因は、いくつもありますが、そのうちの一つが、申込者の気持ちに寄り添った永代供養墓かどうかです。
そのためには、お寺様側の立場としたら、申込者の心情をしっかりと理解し、「当寺の永代供養墓で、あなたの大切なご先祖様をしっかりお祀りさせていただきますので、どうぞご安心ください」という姿勢を打ち出す必要があります。
具体的には、
- 手入れの行き届いた境内
- 永代供養墓自体の設計
- お寺に漂うイメージ
などから、醸し出される雰囲気を消費者がどう感じ取るかで判断されることになるのです。
そして、何よりも重要なのが、ご住職の人柄です。
これに勝るものはありません。
この部分で信頼を得られなければ、いくら好立地の場所にあるお寺の永代供養墓であっても、売れないということになるのです。
逆に、ご住職の人柄の良さで、立地の悪さをカバーできるほど、この部分は重要視されているということです。